双子の超未熟児 - 出産と育児のブログ

2017年に超未熟児(879g, 1143g)で生まれた一卵性双生児の超未熟児の出産から発育をつづるブログです

切迫早産・前期破水・未熟児・双子について調べたこと、聞いたこと

妻の容態がある程度安定してきて、私も妻も、Webに上がっている情報を調べる時間的な余裕が出てきました。

 

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「切迫早産」「前期破水」「未熟児」「双子」などのワードを組み合わせて検索すると、良い情報も悪い情報も出てきます。その中から、読みやすくて確からしい情報を探し出します。

悪い情報を目にすると、自分たちもそれに当てはまってしまうんじゃないかと不安になってしまうのですが、こと早産は在胎週数がかなり大きな要素の1つとなるので、注意深く見るようにしています。

Webの情報では、まとめサイトは基礎的な情報は手に入るのですが、教科書的すぎて当たり障りのない情報しか手に入りませんし、書いてあることがだいたい横並びでコピペっぽい感じです。

一方で、実際に破水を経験された妊婦の方や、産科の現場で仕事をされている方のブログは、読み込めばかなり参考になります。

 だいたい週数が違ったり、ほとんどが単胎児の情報だったりするので、今の自分たち(26週の双子)を当てはめて情報の差分を取り、分からないことを先生に質問・相談するという作業を行っています。

 先生に聞く際も、現在はB病院のMFICUにお世話になっているため、主治医の先生に聞くことが多いのですが、エコー検査に来られる別の産科の先生や、部屋に巡回に来る助産師にも質問しています。

元々いたA病院の主治医の先生にもセカンドオピニオンとして病院に出向いて聞きにに行ったり、A病院に電話してMFICUの別の先生にも聞いたりしました。

 質問は、違う人に「同じ質問を、何も知らない態度で」聞いています。すでに他の先生に聞いて「こういう事だろう」ということも、改めて知らないふりして聞いてます。

これは、先生や助産師によって、認識・解釈が違ったり、表現が違ったり、そもそも治療方針・やり方が違ったりすることを今回学んだため、同じ質問を色んな人にして「確からしさ」を固める作業としてやってます。

 

ここまで、A病院・B病院の主治医、ほかの産科の先生、助産師の方に聞いた質問と回答を、まとめました。なお現在は、A病院で破水の後、NICUの空きが足りないためB病院に緊急搬送されている状況です。

 

 

Q.破水時に最も気をつけなければいけないこと

まずは細菌感染。通常、前前期破水は稀なケースで、細菌感染が原因で破水したことを疑わなければならない。

以下、A病院/B病院の治療方針の違い。

A病院 → 各種検査で細菌感染していない可能性が高いことが確認できれば妊娠継続する。点滴で張り止め、抗生剤を投与して、出来るだけ週数を稼ぐ。

B病院 → 最低限の応急措置(張り止め、ステロイド注射し48時間もたせる)をした後、張り止めも抗生剤もやめて、体の自然反応に任せる。感染があると子宮が収縮するから、それに合わせる。陣痛が始まれば帝王切開してNICUで蘇生させる。感染したまま胎内に置いておくのは危険。26週まで来ていれば、例え早くても分娩してNICUで蘇生させた方が危険性が低い。外に出せば、やりようはいくらでもある。

 

Q.破水後の張り止めについて

A病院 → 妻のケースでは、ウテメリン(リトドリン)は副作用が強いため使わないと思う。マグセントは継続する。妊娠継続のために、1~2ヶ月使うことも致し方ない。
※リトドリンはウテメリンのジェネリック薬品で、成分は同じ。

B病院 → マグセントは48時間に限り効果がある。それ以上投与しても、早産を遅らせることはできないため、やってもやらなくても同じ。マグネシウム中毒を起こさないよう、血中濃度に気を配って投与する。
ウテメリン(リトドリン)は効果がないため使わない。妊婦の張り止めにウテメリンを使っているのは日本くらいで、欧米では全く使われていない。使っても意味がない。これらのことは、アメリカの研究で実証されている。

 

Q.マグセント(張り止め)の使い方について

B病院では、結果的に2週間ほどマグセントを使うことになりました。本来はそのような治療はしないようですが、すぐにでも陣痛になることを心配した私たちに配慮頂いて、そのようになりました。

用量は10ml/時間で、標準的な量とのこと。マグセントは筋弛緩作用があり、用量を間違えると危険。赤ちゃんを分娩した時も、使用しない場合と比べてぐったりしていることがある、とのこと。

なお、マグセントの正式な添付文書に記載されている「原則として、妊娠35週以下又は推定胎児体重2500g未満の切迫早産に使用することが望ましい」のは何故か?という質問をしたところ「それ以上の週数なら、出産させるからではないか」との回答でした。

ほか、添付文書で気になったところとしては、

  • 切迫早産に対して本剤を分娩直前まで持続静脈内投与した場合、出生した新生児に高マグネシウム血症を起こすことがあるため、分娩前2時間は本剤を静脈内投与しない(切迫早産)
  • マグネシウムイオンは容易に胎盤を通過するため、本剤を分娩前24時間以内に投与した場合は、新生児に呼吸障害、筋緊張低下、腸管麻痺等の高マグネシウム血症を引き起こす場合があるので、生後から24時間まで、もしくは48時間までの間は監視を行う
  • (慎重投与)リトドリン塩酸塩投与中の患者[併用により副作用が増強する恐れがある]
  • 妊娠中の投与により、胎児に胎動低下が、新生児に心不全、高カリウム血症、低カルシウム血症が現れることがある。
  • 血清マグネシウム濃度4~7.5mg/dL:(症状)切迫早産の治療域。

 

 

Q.抗生物質について

A病院 → 治療すなら、点滴で強めの抗生物質を投与するとのことでした。抗体をもった細菌が出ないよう、2週間ごとに抗生物質の種類を変えるそうです。(結果的にA病院には戻れず、治療は受けられませんでした)

B病院 → 飲み薬。アモキシシリン(カプセル)、エリスロシン(粉末)の2つを1日3回服用。 

 

Q.26週で羊水が無くなったことについて

赤ちゃんは羊水を飲むことで肺を成熟させる。26週であれば、まだ肺が未熟(肺低形成)ではあるもののNICUで必要な蘇生を行い救命することができる。

 

Q.羊水が無い方の赤ちゃんはエコー検査でも大丈夫そうか?

羊水が無い方は窮屈ではあるが、幸い隣の赤ちゃん(羊水がある方)が子宮をふくらませてくれており、単胎の場合と比べて多少余裕があるように見える。双子とも膀胱におしっこが溜まっており、血流も大丈夫。

血流が悪いと、体の反応として本当に大事な部分(脳や心臓)に血流が集まり他の臓器に行かなくなり心拍数が下がるが、今は双子ともその兆候は見られない。

羊水がないことの問題は、

  • 細菌感染しやすい
  • へその緒が圧迫され血流が悪くなる
  • 赤ちゃんの成長が抑制される

など。

  

Q.破水後のステロイド注射の意味

早産の赤ちゃんは、肺が未熟なために生まれてから自分で呼吸するのが困難である。(新生児呼吸窮迫症候群というそうです)
破水などが原因で、1週間以内に早産が予想される場合、βメタゾン(副腎皮質ホルモン、ステロイド)という薬剤を母体に注射することで、胎児の肺を成熟させる。

ステロイドの筋肉注射を24時間間隔で2回行って、効果が出るまでに48時間、その間は張り止めの点滴で陣痛が起こらないように持たせる。

(妻の場合は、ウテメリンとマグセントの混合で点滴してました。副作用で、貧血・めまい・顔が真っ赤になっていました)

 

Q.妊娠を継続したらステロイド注射の効果は落ちるか

分からない。諸説ある。通常は破水してから1~2週間以内には分娩になるが、それくらいなら効果に問題はない。

以下、治療方針の違い。

A病院 → ステロイドを再度投与することはない。
B病院 → 1ヶ月以上、妊娠を継続する場合、もう1度ステロイド注射を打つかどうかは、病院側で検討して判断する。

 

Q.破水後の感染兆候、お腹の赤ちゃんの安全を確かめる方法

  • 血液検査 → CRP(炎症反応)、白血球数(免疫反応)
  • 赤ちゃんの心拍数 → 110~160回/分の範囲内。感染症だと心拍数が上がり、悪化するとストンと落ちるそうです。
  • 超音波検査(エコー)
  • 母体の発熱
  • 羊水の色 → 透明ならOK。出血がないか。

 

Q.血液検査の基準値・正常値

  • 白血球数 3.5~9.0(1000個/μl、要は3,500~9,000個/μlです)
  • CRP 0.2以下(mg/dl)

妻の場合、B病院の転院初日 → 2日後 → 4日後 → 8日後 → 11日後で、

  • 白血球数 12.7(H) → 14.5(H) → 8.3 → 10.7(H) → 10.1(H)
  • CRP 0.07 → 0.04以下 → 0.05 → 0.14 → 0.51(H)

白血球は基準値を少し超える数値が出ましたが、問題ないだろうとのこと。炎症反応(CRP)は全く問題ないようでした。問題あるときはどれくらい上がるのか聞いたところ、1を一気に飛び越えて、5とか10とかもあるという話でした。

 

Q&Aは、以上です。

 

Webで情報収集している際、他の方のブログを読んでいて、妻のケースと似たような記事を見つけました。

「助けられない命」

https://ameblo.jp/sanfujin/entry-11287022713.html

2絨毛膜2羊膜性の双胎妊娠で1児が妊娠20週前後で破水してしまった例です。

この記事を読んだとき、週数こそ違えど私たちのケースそのままでした。このケースの場合は胎児は20週、また肺が形成されていない時期です。赤ちゃんは羊水を飲むことで肺機能を成熟させていますが、20週で羊水を飲めず肺低形成のままだと、母体では生きることは出来ますが、外に出た途端に呼吸が出来なくなってしまいます。この記事を読んで、自分と重ね合わせる点もあり、胸が痛みました。

 

羊水については、こちらの記事が分かりやすかったので、貼りつけておきます。

赤ちゃんを守る羊水の重要な役割

https://www.premama.jp/p/pregnancy/body/pt0305.html

 

ほか、参考になったブログも貼っておきます。

Trachelectomy - 破水してしまいました・・・(25週5日) (2)

https://plaza.rakuten.co.jp/renkun424/diary/201106210000/

前期破水からの出産 - 2回目の破水、転院

https://ameblo.jp/zenki-hasui/entry-11474070736.html

旅人目線 - 破水、母体搬送(22週)

http://haruchaki.com/blog-entry-67.html

双子☆星 - 出産までのお話

http://futagobosi.ti-da.net/e2802813.html

 

これらのブログや、本記事も、多くの方に読んでいただいて、参考にして頂ければ幸いです。